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投稿記事
天井や壁に用いた曲線形、あえて上部をつなげた間仕切り壁、壁から天井まで一体となった厚みのある左官のテクスチャー、これらのエレメントが組み合わさり、障子窓からのやわらかい光が、はっとするような陰翳のグラデーションを生み出す空間になりました。
53㎡というコンパクトな面積ながら、曲線によってシームレスで繋がる壁と天井に、間仕切壁の上部から回り込む光が、空間に奥行きをあたえています。
一面バルコニーの住戸のため一方向のみからの採光ですが、室内に充ちる光の表情はとても豊かで、意図しなかったたくさんの景色や発見があり、見ていて飽きません。
マンション共用部となる窓には手を加えられず既存のままですが、開口を設計できる新築案件以上に光や風景がデザインされるという逆説的な結果は、今後にインスピレーションを与えるような新たな発見でもありました。
株式会社アオイデザイン aoydesign 神奈川県 建築家
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多彩な空間が豊かな表情を見せる”アルゴリズム”
房総半島中部・君津市鹿野山にある週末住宅。 この見物は雄大な渓谷を見下ろす傾斜地に佇んでいる。 建物の外観は単純なキューブ。内部空間は田の字平面が二層に重ねられ、空間を仕切る壁面と床面と天井にキューブが入り込み、空間を抉り切り取っている。キューブ同士の角度はアルゴリズムによって相互に一定の値で角度がずれているのが最大の特徴だ。 アルゴリズムで定義されたキューブの回転角によって、それぞれの空間が多様に切り取られ、その小口はそれぞれの室に多様な空間を生み出している。 日中は天井のトップライトが光を室内に充満させ、内部空間は予想しない方向から光線が交錯する。 敷地の傾斜値に合わせてキューブの回転角が設定されており、空間内部には雄大な自然の風景を集めたように取り込まれ、風景と内部の一体感が感じられる。 独特のアルゴリズムという空間構成は、自然の風景を取り込みつつ新しい身体感覚を感じられる週末住宅の完成に繋がった。
柄沢祐輔建築設計事務所 東京都 建築家